京の匠について

制作工程

代々親子にうけつがれ培ってきた紋様と多彩な色使いが特徴である「西陣の金襴」。
その特徴のひとつである染色した糸を使って模様を織り出す「紋織」技術は
完成するまで多数の工程を必要とします。

工程について

西陣織の繊細で複雑な模様は、熟練職人でも1日曲一尺程しか織れず、一反織り上がるまでに多くの時間と工程を要します。
また、それぞれの工程は専門家によって分業化されており、各工程に高い技術とと豊富な知識が要求されます。

原料準備工程

織り出す織物に必要な種類の糸を準備し必要な色に染め、金糸や金箔はそれぞれの職人の手で生産します。その後、織物のタテ・ヨコ糸を織機に掛けるまでの状態まで専門職人の手で加工します。

原料準備工程

図案家によって作成された織のデザイン図をもとに織物の設計図となる「紋意匠図」を作成します。 その後、それぞれ専門職人が手がける、織機の動きの指示書である紋彫・紋網(もしくは紋型)データ作成します。

機準備・製織工程

タテ糸を上げ下げする装置である綜絖(そうこう)を専門の職人の手で設置します。その他、製織に必要な筬(おさ)・杼(ひ)・他機附属品を準備します。

製織工程では、専門の職人が手織りする「手機」と動力で織る「力織機」の2種類があります。準備工程で用意された経糸(たていと)、緯糸(よこいと)を織機に仕掛け、経糸を上下に開口させ経糸の間に緯糸を通し、設計書通りの織物組織(柄)になるように織り上げていきます。